平成十二年八月二日提出
質問第五号
超低公害新自動車燃料「ガイアックス」に関する質問主意書
超低公害新自動車燃料「ガイアックス」に関する質問主意書
一 政府・自民党は、排ガスに含まれる黒煙やススなどの粒子状物質(PM)に対する規制も盛り込んだ「自動車NOX削減法」の抜本的改正案を来年の次期通常国会に提出する方針と聞くが、それは間違いないか。
もし事実なら、抜本的改正案の内容はいかなるものか、概要を説明されたい。また、政府・自民党のその方針に対し、日本自動車工業界や石油連盟の対応はどうなのか、それを評価し、積極的に取り組む姿勢なのか。
二 石油業界は、PMを取り除く浄化装置(DPF)の効果を十分にあげるため、政府や自動車業界から、PM発生の原因である軽油中に含まれる硫黄分を現在の十分の一まで減らすことが求められている筈である。しかし、硫黄分の削減には業界全体で最低でも三千億円規模の設備投資が必要と見られ、石油会社の経営を圧迫する恐れがあり何らかの業界支援策が浮上してくる可能性もある。
それほど軽油を燃料とする「ディーゼル車」の環境汚染問題について、配慮を示す政府・自民党が、いま課税問題がおこっている「メタノールを全く含まない新しい高分子系アルコール燃料」の「ガイアックス」を今度はなぜ結果的につぶそうという挙に出てきたのか。
この超低公害燃料「ガイアックス」に対し、いま税務当局は軽油引取税(一リットル当たり三十二円十銭)の課税に向けた動きを強めているが、自治省の指導にもかかわらず、各都道府県の対応はバラバラである。「ガイアックス」の原料の種類は石油製品ではなく天然ガスであること、また、燃料の種類はガソリンの揮発油燃料ではなく、アルコール燃料である。
こうした「ガイアックス」に対する課税の面から、実用化に際し、自動車用化学合成燃料において、製法上、石油税の課税対象にもっとも近似性があるのは、石油税法に想定されている「みなし揮発油税」ということになる。しかし、この「みなし揮発油税」を課税しようとしても、炭化水素を主成分としないもの、即ち炭化水素以外のものが全重量の約50%以上であるものは、比重90%留出温度および初留点の規格に適合していても、みなし揮発油に該当しないということで、課税には無理があることは明白であるにもかかわらず、軽油引取税を適用しようとしているが、「ガイアックス」はガソリンに比較して有害物質を90%から95%削減した環境に優しい超低公害性であるほか、種々の面で高い評価を得ていると同時に、小売り価格もガソリンの一リットル当たり百円台に対し「ガイアックス」は八十円台という低価格での販売が可能で、ガソリンは価格面でも15%から20%という大きなハンディを背負っていることになる。いずれにしてもクリーンな燃料に近い超低公害燃料として開発された「ガイアックス」は、地球環境を守り、自動車ユーザーの利益確保という面からもその灯を消してはならないのではないか。
三 大気汚染の原因はその大半が自動車の排気ガスにあるといわれている。
環境保全が地球全体の課題とされる今日にあって、自動車メーカーも、エンジン開発を中心にさまざまな対策を練ってきている。
ところが燃料の方はこれまで自動車の燃料を変えるためには、エンジンの機構自体を設計し直さなければならないと考えられてきた。
しかし、その様な常識を覆し、通常のガソリン車で使用できる超低公害燃料として開発されたのが、ガソリン代替燃料であるアルコール系燃料ガイアックスといわれている。排気ガスで発生する有害物質を大幅に低減し、それでいて、性能はガソリンとほぼ同等で、ガソリンと同じようにスタンドで給油でき、エンジンに対して全く障害を起こさない新しい自動車燃料がガイアックスであり、テレビ東京などメディアでもこのガイアックスの超低公害性が改めて検証され超低公害新燃料として報道されているほどである。
輸入・製造・販売元のガイアエナジー株式会社では一九九九年九月十六日、カナダのクレチェン首相率いる通商拡大使節団のもと「GAIAX―ガイアックス」の製造・販売に関してカナダ企業と正式契約調印を行っている。つまり世界で認められた性能をもつ「ガイアックス」である。
当然、環境庁もこの商品については、調査済みかと思われるが環境庁が推奨されているM85(メタノール燃料)、これはたしか設備に関する助成金がついていると聞いているが、ガイアックスに対しては補助金や助成金がついておらずその違いを説明願いたい。また、今後、環境問題に配慮した商品が販売されると思われるが助成金や補助金を得るために基準があれば説明願いたい。
四 アルコール系燃料(ガイアックス)は、地方税の軽油引取税として課税の対象になっておりM85は課税の対象になっていない。
同じガソリンの代替燃料でありながら、課税対象と対象外とに分けておられる理由を説明願いたい。また、神奈川県では自動車税の内、乗用車やトラックに対する税率を来年度から五年間、20%引き上げる方針を決めたが、一方では、環境に配慮するため電気自動車や天然ガス自動車など低公害車は半額にするという画期的な独自案を発表した。
これは、環境に悪影響を与える商品と環境に優しい商品とを区別した考えである。これを燃料にも適用してはどうか。
五 勿論このガイアックスは既存の法が予測しなかった製品であり、事態である。
したがって、仮に課税がさけられないとしても、円滑な課税が行われるようガイア社と環境庁及び自治省担当者との間で協議を重ねさせ、その妥協点を探るべきではないか。例えば環境によいという点で課税額を考慮し、「ガイアックス税(仮)」というようなものを作ってもよいのではないか。
環境庁を中心とする政府の見解を問う。